七本鎗の冨田酒造が造るヴィンテージ酒「琥刻」を飲みました。
琥刻は山廃仕込みで長期間熟成させたお酒。2011年から2016年まで販売されており、2013年からは酵母無添加になっているそうです。
今回、味わったのは2014年のヴィンテージです。発売の2017年まで蔵で熟成され、そこから1年間は私の家で眠っていました。
琥刻という聞きなれない名前の由来は「湖国の地で、人が醸した酒に時の刻みによる厚みが加わり、深みがまし、琥珀色になっていく。そんな想いを込め名付けました」と蔵元さんが説明しています。
七本鎗はものによっては、すごくボリュームがあってツヤのある甘さがあります。この純米吟醸 吟吹雪なんかはまさにそういうお酒で、甘みしっかり広がりがあってふくよか。
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なので、飲む前は琥刻もそういうお酒なのかなと思って、脂ののったマグロの日に合わせてみました。
家の近くの魚屋で本マグロを買ったので、何か日本酒ないかなと冷蔵庫から七本槍 山廃純米 琥刻2014のハウス熟成1年を引っ張り出す。タイトながら、ミネラルたっぷりで洗練された山廃。木樽の香りも上品で余韻のおぼろげさ美しい! pic.twitter.com/RiifLUQiX7
— 主に飲んでいます (@sake1984a) 2018年10月16日
すると、蔵付き酵母のためか、意外にもすごく穏やかで上品。マグロとはボリュームが合わなかったですが、それでも食中酒として極めて優秀な働きをしてくれます。
どんな料理にも寄り添ってくれ、和風のダシや醤油にはお酒の持つ樽の香りでふわっと広げてくれ、洋食のソースなんかはお酒の持つタイトさでキュッと引き締めてくれます。万能ですね。
開栓から数日後に飲むと、お酒の香りがより立ってきました。
上立ち香は、かすかにシェリー酒のような樽の香りがして、奥にカシスっぽい甘い果実のフレーバーも隠れています。
飲んだ後に鼻から抜ける時には、エイジングを感じさせる樽の風味だけでなく、ダークチョコレートのような香りも感じられました。すごく上品で洗練された香りですね。
味わいも、落ち着いた熟成感と酸が特徴的で、タイトでなめらかな米の旨みが舌を転がりました。すごくクオリティが高い!
冨田酒造 公式サイト滋賀県長浜市にある冨田酒造は天文年間に創業し、約460年の歴史を持つ蔵。
若手蔵元の人気蔵の一つですが、流行りの酒質を追いかけるのではなく丁寧でオーソドックスなお酒を造り続けている印象があります。
それぞれの地に根付いて来た昔ながらの酒「地酒」
その地酒の「地」の部分を大切に、
ここ滋賀県は湖北より発信したいと思います。守るべき部分は変えずに守り、変革する部分は果敢に挑戦する。
その両輪で伝統文化を次世代へと継続させていきたいと思います。
冨田酒造が造る七本鎗にはいろんな種類がありますが、どれもお米のポテンシャルを生かしたしっかりとしたお酒のイメージ。
蔵元さんはとても素敵な方でファンが多いですよね。渋谷百軒店の百けんの女将が蔵に遊びに行って一緒に飲んだことがあるらしいですが、めちゃくちゃ熱くて良い人だったと言ってました。
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あと七本鎗といえば燗映えする銘柄ですよね。
玉栄など固くて渋みが出やすいお米を使ったお酒がいくつかありますが、こういうタイトなお酒は少し温度を変えるとお米の味わいがより感じやすくなりますね。
琥刻も、七本鎗も大好きな銘柄の一つです。琥刻は全ヴィンテージ買い揃えておけばよかったな。また集めてみたいと思います。
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