さる10月13、14日。
銀座にある沖縄県のアンテナショップ「わしたショップ」で、閉店後に面白いイベントがあると聞いていたので、足を伸ばしてみました。
「ハヤシBAR」と書いてあります。きっとこのことでしょう。お店の中からは蛍の光が聞こえてきますが、どこから入れば良いのでしょうか。
店の周りをうろうろしていると、お店のスタッフが自動ドアを手で開けてくれました。店の奥に進んでみましょう。
これですね。イートインスペースでハヤシBARがオープンしており、20人ほどのお客さんが集まっていました。
このイベントは、私も冬に沖縄で取材させてもらった、神村酒造が主催する角打ち的なイベント。
沖縄行きたいなあ。
沖縄の泡盛「守禮 暖流」神村酒造 | 泡盛、暖流、守礼、もろみ酢を製造する神村酒造公式サイト。明治15年創業の老舗から「暖流」「守禮」をお届けします。
泡盛、暖流、守礼、もろみ酢を製造する神村酒造公式サイト。明治15年創業の老舗から「暖流」「守禮」をお届けします。
専務の中里専務の思いつきとノリでスタートし、不定期で開催するそうです。
東京近郊の泡盛好きや全国の神村酒造ファン、世界のハヤシマニア(という人々がいるのだとか)が集まるといいます。
専務のお名前が中里迅志(はやし)さんと言います。
お酒はキャッシュオンシステム。というか頼んだお酒の料金を各自置いていくシステムです。
秋泡盛は200円、暖ボール(暖流のソーダ割り)は300円です。その他の古酒は時価で、銘柄ごとに価格が異なります。
限定商品の秋泡盛をいただいてみました。
通常ラインの商品と異なる原酒をブレンドし、粗ろ過で仕上げた20度の泡盛。
同じ20度の夏泡盛がスッキリとしてごくごくのめる酒質だったのに対し、こちらの秋泡盛はしっかりと味がのって落ち着いた風味。専務曰く秋刀魚やグルクンといった魚と相性が良いといいます。
さかなてんぷらと合わせてみました。白身の淡白さ、甘みが口の中にじわーっと広がります。
おつまみコーナーです。お金を置いて好きなものをとっていきます。てんぷらはイカ、さかな、もずくの3種類。
ミミガー、海ぶどう、島豆腐といったおつまみも。銀座の沖縄料理屋「島とうふ」が協力しています。
ピリ辛ミミガーを食べてみます。スリーブに中里専務のイラストが書いてありますが、背中の黒い羽がなかった人は、秋泡盛と暖ボールが無料になるそう。太っ腹1
古酒を飲んでみたいと思います。どれも神村酒造が那覇にあった時代のもの、2000年前後の貴重なお酒です。
もちろん今では購入できません。専務の個人的なコレクションもあるそうです。
1杯ずついただいてみます。
右から2番目の彩の海。熟成由来のカラメル様の甘い香りが立ちます。味わいはまろやかで、後口も角を感じない穏やかさ。
一番右の銘柄には、2000年のサミット記念と書いてありますね。時代を感じます。彩の海と同じ元のお酒は樽熟成だといいますが、こちらはより泡盛らしいもろみを焦がしたような香りが感じられます。味わいも後口でアルコール感が少し残る感じでした。
お酒本来の味なのか、熟成による変化なのかはわからないのですが、どちらもとても美味。
5年熟成の守礼を長らく寝かせたものもありました。
こちらは甕仕込みなので、甕の泡盛らしい独特の風味がありました。前の2つがまろやかでタッチが柔らかかったのに対し、守礼はもっと力強さが感じられ、アタックも少し舌を刺す感じです。
ただ、味わいは複雑ながら香りと甘みの印象が近く飲みやすいバランス。泡盛好きがとても好きな味の一つだと思います。
最後は暖流。酔っ払ってきました。カラメルのような香りの陰にプラムのような甘酸っぱい香りが隠れています。味わいは米の甘みがあって消えるような後味。美味しい!
めちゃくちゃ貴重そうなお酒も販売されていました。
と、2時間弱の間に、少量ずつ歴史を重ねた貴重な泡盛を味見させていただきました。
泡盛の奥深さを改めて感じることができました。やっぱり泡盛は蒸留酒ながら全麹仕込みのためか、香りだけでなく、微妙な味わいの違いも感じられるように思いました。
あと仕事柄、飲んだことない人にあるお酒を飲んでもらうにはどうするか、ということを考えることが多いのですが、泡盛は良い意味でもそうでない意味でも甕のクセが結構あるので、初心者の人には今日の彩の海のような銘柄から入る道もあるのかな、と。
日本酒飲んだことない人に山廃とか水酛とか特徴的なの飲んでもらっても、驚かれるばかりですからね。
そんな感じで、東京近郊でも泡盛関係のイベントは定期的に開催されているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。