群馬泉が好きです。
言わずと知れた、島岡酒造が造る日本酒。
独特の熟な風味に、キレイだけど深みがあってねばりのある甘み。個人的には最高のデイリー晩酌酒のひとつだと思ってます。
お酒の芯が強いので、多少雑に扱っても酒質が変化しないものも良いですね。この写真みたいに、キャンプでも活躍するお酒です。
今回は、そんな群馬イズマーの僕が、群馬泉について語り、買い集めてはちびちび飲んでた5銘柄のレビューを書いてみたいと思います。
群馬県太田市の島岡酒造
群馬泉は群馬県太田市(旧・新田郡宝泉村)にある、島岡酒造が醸す銘柄です。
島岡酒造は1863年(文久3年)に創業した酒蔵で、昔ながらの生酛や山廃といった方法でお酒を造っています。
石数は県内でも最も少ない蔵の一つだといいますが、地元以外でも東京を中心に多くのファンを持つ銘柄です。
熟成感があって燗酒にもぴったり
群馬泉は多くが生酛か山廃で仕込まれており、速醸の銘柄は一部を除いてほぼないとのこと。
仕込みには赤城山系の湧き水を使い、地元産の酒米「若水」を中心に使っているそうです。吟醸とかに山田錦が少しありますね。
味わい・香りは、熟成した香りと酸、旨みが特徴的で、温めてさらにおいしくなる銘柄が多い印象です。熟成してるんだけど重くない、まろやかなんだけど老ねも酸化せず、透き通るような酒質なのが特徴的です。
群馬泉 山廃本醸造
まずは山廃本醸造。群馬泉と聞いたら、真っ先にこの銘柄を思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。
山廃本醸造は、なんといってもあの特徴的な熟成の香りが大好き。冷たくしていても、あのすごい香りが漂ってきます。
ただ、香りこそ熟なんですけど、味わいや舌ざわりのタッチはそこまで重くない印象なんです。
なめらかなんだけど、深みと複雑みがあるバランスの良さ。あの香りを例えるならば、なんだろう「木桶に入れた味噌とダーク系のチョコ、ブランデー、カシスをミックスして熟成させたような複雑な香り」って感じでしょうか。
もちろん、燗にしても最高。飲み飽きしない酒とはこのお酒のことです。
群馬泉 超特撰純米
本醸造と同じ系統ながら、超特撰純米はもう少しタッチがなめらかで、絹のようなテクスチャーが感じられます。
ただ、クリアで透き通るなかにも、群馬泉らしい熟した香りは隠れています。キレイな酒質だからと言って弱いわけではなく、燗にすると隠れていた力強さ、ポテンシャルが一気に花開きます。
香りがふくらむと同時に、旨みがぐわっと存在感を増してきて、いつまでも飲んでいたいお酒に。
これに限らずですが料理との相性も抜群。どんな料理でも拾って、ぐっと味を伸ばしてくれるようなイメージです。
群馬泉 淡緑
上2つの銘柄がじっくりと熟成されてから出荷されるのに対し、この淡緑は若くフレッシュな状態で瓶詰め・販売されるそう。
米は若水だと思いますが、米の味をダイレクトに感じさせる素直な造りなんでしょうか。
他の銘柄よりも酸があって、キレも感じられるように思いました。若いんですけど、そこは群馬泉。かすかに、あの香りの予兆もにおわせています。
全体としては、ミネラルが豊富ですごくみずみずしいイメージ。熟成こそしていませんが、群馬泉らしい丁寧で手がかかった素晴らしいお酒になってますね。
淡緑も温めてもおいしい。甘みがぐっと増して、山廃とかに比べるとストレートな良い香りも立ってきて、旨みがじわっと伸びてきます。
いろいろと使いどころがありそうな1本ですね。
群馬泉 大吟醸
これはちょっと良いお酒。特別な日にじっくりと味わいたい大吟醸です。
この大吟醸は、3年以上熟成させているとのことで吟醸らしさはありつつも、群馬泉一流の独特の風味・香りも出ています。
普通、大吟醸って冷たく冷やして飲むイメージがありますが、蔵元さん曰く「うちの大吟は常温で置いてて大丈夫」とのこと。面白いですね。
香りこそ群馬泉らしい独特はものですが、吟醸らしい洗練されたバランスで、タッチがとてもソフト。のびやかでなめらかな口当たりです。
余韻の複雑さ、広がり、かすかに残る甘み、はこういう素晴らしいお酒ならでは。これは掛け値なしに美味しいと言いたいですね。
群馬泉 初しぼり
最後はこちら。年1回の限定出荷、しぼりたて生原酒の初しぼりです。しかも、これは熟成に強い酒屋さんで買った28BY。
1年以上自家熟成させていますが、生原酒らしいフルーティでリッチな香りがあります。
口にしてみると、生熟らしいボリュームと甘みはあるんですけど、それでいて引っ掛かりがなく、軽やかです。
これは美味しい…。余韻は群馬泉らしい複雑味も感じさせて、この甘みなのにキレも感じさせます。それもナチュラルに。
食中酒として料理に合わせやすいのはもちろんですが、ボリュームに厚みがあるので写真みたいなトロなんかと合わせると得も言われぬ組み合わせです。幸せ…。
開栓してからさらに家で寝かせると、少しずつ糖が増して甘くなり、香りもアーモンドのような香ばしさが出てきます。
キャンプにも最高
と、ここまで紹介してきた群馬泉ですが、熟成してるものが多く食中向きなので、もちろん燗酒にも最高です。
蔵元さん自身がキャンパーだからかもしれませんが、キャンプともぴったり。燻製やサバ缶チーズなど少し香りにクセのあるものとの相性最高ですよ。
温めるときはこんな風に瓶燗でもOK。シェラカップ燗でも、ケトル燗でも。
外飲みの取材でキャンプ場に行ってきた。大雨と寒さで死ぬかと思ったけど、お酒はすごい美味しかった。バーベキューに群馬泉は鉄板。ほしとたきびカップもすごく良い。寒いからカップ燗。あとちろりはキャンプでも活躍します。 pic.twitter.com/tubTw7Ymlf
— 主に飲んでいます (@sake1984a) 2018年5月9日
今日のキャンプ飲みのテーマは「群馬泉」。家にあった超特撰純米、山廃本醸造、淡緑、初しぼり27BY、そして大吟醸の5本を、飲み比べてみたいと思います。燗酒システムも完成しました。瓶燗ver.と湯せんver.。 pic.twitter.com/gObWXVtwP0
— 主に飲んでいます (@sake1984a) 2018年5月24日
群馬泉、晩酌のお酒として最高なばかりか、どんな使い方にも耐えられそう。すごく使える万能酒ですね。
熟成系が好きな人、逆にきつい老ね臭に当たって熟成が苦手という人でも、一度試してみてください。
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本当は誰にも教えたくない…新橋のぶどう家はやっぱり酒も料理も最高
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