外で飲む機会が減り、日本酒の家飲みが捗っています。気になる銘柄を求めて自転車で神奈川県内の酒屋を巡るのが、運動にもなるし、楽しくて。
酒屋ってなんでも揃ってる方がありがたい気がしますが、何が置いてあるか自体がいろんな縁で、お店にあるものから自分に合ったものを見つけるのが楽しいと思う今日この頃です。
今回、手に取ったのは天狗舞でおなじみの車多酒造のもう一つのブランド・五凛。

酒屋さんに「良い鮪と飲みたい」と相談すると、この時期にしか出ない生酒タイプから純米大吟醸をオススメしてもらいました。
五凛というお酒には、次のような思いが込められているそう。
「五凛」は、料理の美味しい味わいを引き立て、場を盛り上げたり、
車多酒造
ゆったりとした気分で楽しんでいただける上質なうまさを感じるお酒です。
目立つことはありませんが存在感があります。
五凛〔GORIN〕という名前は、お客様、飲食店、酒販店、蔵元、杜氏の五者が常に凛とした関係で、
お酒を楽しんで頂けるようにという思いが込められています。
メッセージからサイトデザインに到るまで、ひとつの世界観が貫かれていて、早く飲むのが楽しみです。

あまり揺らさないよう、鎌倉の酒屋さんから気をつけながら自転車で帰宅。早速いただいてみました。
開栓すると、ふわっと一瞬だけ米の洗練された香りが瓶から広がりました。

改めて香りを探ると、華やかな香りはそれほど感じられず、穏やかな磨いた米の香りがあり、その奥に吟醸香が隠されているようです。
口に含んで見ると、なめらかな舌触り。さらさらしているのではなく、薄絹のようなしっとりとしたテクスチャーがありますね。これは良いお酒。
舌の上の転がすと、生酒らしい厚みがありつつ、印象的な軽やかさ。それから、ほどよく繊細な酸味と、米の旨みがいっぺんに味わえます。
ノドを通る頃には、スッとしたキレも感じられ、口に含むところから飲み込むまで、一度もひっかかりのない素晴らしいお酒です。

お酒だけでも美味ですが、鮪と合わせてみれば、しっかりと味を膨らませる引き立て役に。これは食中酒としても行ける万能型、鍋や脂ののった魚がおいしい冬に最高の一本です。
アルコール度数は16度とそこそこ高いんですけど、生酒特有の口の中に残る苦みもなく、長い間付き合っても飲み疲れしませんでした。天狗舞の山廃のような力強いお酒のイメージがある車多酒造ですが、これはずいぶんと性格が違った(米の味わいを引き出すという意味では共通しているけど)感じがですが、とても良いお酒でした。
車多酒造はSNSにも力を入れていて、インスタを見てると、よくお酒が飲みたくなる写真を投稿していて罪なアカウントです。
ちなみに、上の写真の「天狗舞 本醸造生酒 しぼりたて」は本醸造クラスとは思えないクオリティ&仕上がり。
税抜き900円と、日本一コスパの高い日本酒と言っても過言ではないと思います。こちらも合わせてどうぞ。
車多酒造(石川県白山市)
原料米:山田錦
使用酵母:−
精米歩合:45%
アルコール度数:16度
日本酒度:+2
酸度:1.5
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