「食べる順番ダイエット」や「食べ順ダイエット」と呼ばれる、食事を摂る順番を変えると体重が落ちるというダイエット法があります。
具体的には、野菜→スープ→主菜→主食という順番で食べるというやり方のことを指します。感覚的には、食べる順番を変えたところで吸収するエネルギーや栄養素は同じなんだから、変わらなくない?と思いがちですが、実はこの方法にはちゃんと裏付けがあるようです。
今回は、浜内千波『浜内式 食べる順番ダイエット』という本を参考に、この食べる順番ダイエットについて考えていきたいと思います。
家の光協会から出版されている同書では、まず最初に食べる順番ダイエットのについて説明。
※ちなみに家の光協会は、よく宗教団体と勘違いされるそうですが、70年以上の歴史を持つJA(農協)グループの出版・文化団体です。
それから、本編となる1章と2章では著者の料理研究家・浜内千波さんが、最初に食べるべき“ベジファースト・レシピ”や食べ順ダイエットの効果を高めるいろいろな献立を紹介しています。
ベジファースト・レシピでは、30種類近い野菜の簡単に作れるレシピがそれぞれ3パターン以上掲載されています。キャベツの納豆和えとか水菜のオイスターソースがけとかは、僕も朝食でよく作っています。
やっぱり、紹介されているレシピはどれも簡単ですぐに作れるのが嬉しいところ。パッと作って、最初に食べれば食べ順ダイエットの始まりです。味付け自体はシンプルなものが多いですが、その分アレンジも多彩ですね。
食べ順ダイエットで体重が落ちる理由としては、
・血糖値の上昇がゆるやかになり、インスリンが適量ずつ分泌される
という2点から説明されています。
満腹感が増すので主食(炭水化物)を取りすぎない
1点目は、20代の頃に90キロ以上体重があったという浜内さん自身の経験から。そこから40キロ以上のダイエットに成功したわけですが、その秘訣の一つが野菜を最初に食べることだったとか。
浜内さんは、このようにつづっています。
野菜を先に食べると、野菜だけでかなりおなかが満たされるため、そのあとの食事の量が自然と減って、無理をせずとも1食の総カロリーを減らすことができます。(中略)私がずっと体重をキープしているのは、野菜を最初に食べる“ベジファースト”を今も実践しているからだと思います。
『浜内式 食べる順番ダイエット』 p.4
確かに、野菜を最初にゆっくり食べてお腹が一杯になり、いつもより少ない量のご飯で満足できるってことありますよね。いつもよりご飯を2口減らすことでも、長期的には体重減につながると何かで読んだことがあります。
血糖値の上昇がゆるやかになり…
もう1点の食べ順ダイエットが効果的な理由は、より医学的・科学的な観点から説明されています。解説しているのは、城西大学薬学部の金本郁男さんです。
金本さんは、食べる順番を変えると痩せるメカニズムの話を始めるにあたり、まず血糖値とインスリン、脂肪の関係について説明しています。
私たちが空腹状態で糖質の多いものを食べると、血糖値(血液内のブドウ糖の量)が急激に上がります。すると、すい臓からインスリンという物質を出すことで、体はそれを元の状態に戻そうとします。しかし、このインスリンには血糖値を下げる機能の他に、「『過剰な糖を体にグリコーゲンや中性脂肪として蓄える』という働き」(同書p.6)があります。
これが、食べ順ダイエットを取り入れていると、
- 野菜は糖質が比較的低いので、血糖値が急上昇しない
- 先に野菜を胃の中に入れることで消化のスピードが遅くなる
- 血糖値の上昇がゆるやかになり、インスリンの分泌もちょうど良い
- 血液の中にある糖はエネルギーとして効率的に消費される
と、こういうわけなんだそうです。なるほど、お腹が一杯になるだけでなく、こういうメカニズムがあるとは。
野菜を食べてから、次のスープや主菜を食べるまでには10分程度開けた方がいいそうですが、それ以外は特にやることや大変なこともなし。気軽に始められそうなので、この「食べ順ダイエット」取り入れるが吉ですね。
『浜内式 食べる順番ダイエット』には、食べ順ダイエットを助けるレシピが数多く掲載されていて、実用度もかなり高いですよ。
一個注意したいことを挙げるとすれば、特に一番最後の主食の部分ですが、メニューの選定基準がカロリーにやや寄っている気がするので、ラーメンなどを作る際には糖質量にも注意できれば完璧だと思いました。いずれにせよ、なかなか勉強になるレシピ本でした。
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