数年前に、伊豆諸島の島の半分くらいを訪問する機会があって、それ以来なにかというと、島に行きたいという気持ちにさせられます。
東京に住んでいても、名前を知っているくらいであまり縁がないという人も多いと思いますが、伊豆諸島って飛行機でも高速船でも行くことができて想像よりは近いんです。

何ヵ所か行った中で、かなりインパクトが大きかったのは青ヶ島。海が時化るとたどり着けないという孤島で、その体験の貴重さもあってすごく思い出深いです。レアな焼酎もたくさんあるんですよねぇ。
さて、青ヶ島から約350キロ、東京は新宿に青ヶ島をはじめ伊豆諸島の味が存分に楽しめる人気の印象的があります。

お店の名前もズバリ「青ヶ島屋」。新宿西口から徒歩7、8分、大ガード交差点から小滝橋通りを北に少し歩いた路地にあります。
黄色い外壁を目印に階段を上って2階へ。本当にこっちにお店があるの?という奥が、いつもお客さんで賑わう人気店の入り口です。
青ヶ島の青酎など伊豆諸島の焼酎が揃うこちらのお店ですが、それ以外のドリンクメニューも豊富。日本酒好きも専門店も多い場所柄か、厳選したお酒も置いてありますよ。

島が恋しいので一杯目は明日葉茶ハイにしました。
明日葉というのはセリ科シシウドの植物で、青汁の材料としても使われています。房総半島から三浦半島、伊豆諸島といった太平洋側で自生しているそうです。実際、去年の夏に八丈島に行ったとき、そこら中に生えていました。

で、この青ヶ島屋の明日葉茶ハイ、とにかくおいしいんです!明日葉ハイって伊豆諸島なら結構メジャーな飲み物で、大体の飲食店にあるんですけど、この明日葉ハイは全然違う。

明日葉の香りとかすかな苦みが、焼酎のクセのカドをとってくれる、というのは一般的な傾向ですが、なんでしょう…黒蜜飴のようなかすかな甘みがかあって、全体として黄金比的なバランスが成立してるんです。
明日葉茶ハイ一杯でこの驚き。すごいおいしい。恐るべし青ヶ島屋。
友だちが来るまで少し時間があったので、スターターとして明日葉のマヨネーズ和えを食べます。…な、なんと、これもすごくウマい!

湯がいた明日葉をマヨネーズで和えたものだと思いますが、他の何にも似ていない絶妙なメニューに。東京のすべての居酒屋に置いてほしいです。
ほかに食事メニューはこんな感じ。オススメ、グランドメニューともに地元の名産品を使った島料理が勢揃いです。

そして忘れてはいけないのが、幻の焼酎とも言われる青酎。元々は島の人たちが自分たちが飲むために造っていた生産量の少ない焼酎だったそうですが、「幻の焼酎」としてNHKなどで紹介されて、手に入りにくくなったそうです。
青ヶ島に行った時に蔵を見せてもらいました。1本1本、造り手さんが異なるんですね。

杜氏さんのほとんどは兼業で酒造りに携わっており、生産量はごくわずか。基本的にラベルは同じですが、誰が作るかによって微妙に味わいが変わってくるんです。
ちなみに青酎のボタニカルな香りは、麹菌を繁殖させる時にオオタニワタリという巨大な植物の葉っぱで包むことで生まれるそうです。野性味のあるスパイシーな香りが癖になりますね。
青ヶ島屋にはほぼ全種類の青酎が揃っていますよ。

料理は、まずは刺身の盛り合わせをいただきます。南方の魚は脂がのってないと言われますが、伊豆諸島の刺身は本当においしいんですよ。

夏に神津島に行ったことがありますが、そこで食べた金目鯛とムツはビックリするほどの味だったことを覚えています。
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ムロメンチカツもいただきます。青魚のクセのある風味が良い。

このあたりで青酎にシフトします。まずはロックで独特の味わいを堪能しましょう。

んーこれはうまい。明日葉の独特の苦味が感じられる天ぷらにぴったりです。

ナスにミョウガとかつお節をかけたもの。さっぱりしていて◎。

お次は青酎のソーダ割りにしてみました。南国のワイルドな植物の香りが炭酸で割ることでとても上品かつ絶妙のバランスになりました。

ポテサラ。これは間違いなし。

もしかするとお店に入った時に、何か不思議な(決して良いとは言えない)匂いが充満しているのを感じる人がいるかもしれません。その正体がこちら。
くさやです。

「くさや液」と呼ばれる発酵液につけた伊豆諸島の郷土料理。この液体は魚醤っぽくてかなり独特で強烈の匂いですが、味わい自体は程よくクセがあって美味しい。かなり焼酎に合います。
青ヶ島以外の焼酎も充実。よし、もう今日は焼酎パーティーだ。

控え目に言って、こんな具合でとにかく最高な青ヶ島屋。あまり広くないので予約しておくのがベター。
伊豆諸島の焼酎や料理に興味がある人はマストで訪れたい一軒ですよ!
◆青ヶ島屋
東京都新宿区西新宿7-15-15 東宝観光ビル 2F
03-6908-9723
17:00~0:00
日曜休み
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