蔵を見学して大和桜酒造のテッカンさんが教えてくれた焼酎のこと

グッドネイバーズジャンボリーの翌日、いちき串木野市を回るショートトリップがあったので参加してきました。

その中で、焼酎の大和桜を造る大和桜酒造にも寄ったのですが、杜氏の若松徹幹さんの話がめちゃくちゃ面白かった。

この間会った時に本人にもいいよと言ってもらえたので、記憶を頼りに当日の話を再現しました。

テッカンさんは焼酎蔵が集まるイベントなんかでも、周りの人がハッピを着る中、ひとりスポーツウェアで登場して、「こういうスタイル面白いでしょ」みたいな感じで、ちょっと変わったことを仕掛ける人、みたいなイメージを持たれるそう。その辺りを含めて読むとより味わいがあります。

——ここから当日の様子

「ここがうちの焼酎を造ってる蔵です。見学に来る人がうちの蔵に来て最初に驚くのは、え、テッカンさんいるんですか、ということ。そりゃあいますよ。やっぱり見た目とか、ちょっと変わったことやってるなアイツ、とかそういう風なイメージはあるけど、焼酎はちゃんと造ってます。造りの時期になると、もう朝から晩まで」

「最近って何かを造るときにこだわりとか、重いほうに行きがちなんだけど、焼酎も含めて、そういうやり方もあるんだけど、僕はちゃんといいものを造って、軽く売りたいというか笑。でもちゃんと造るのは当たり前ですよ、それは」

「いろんなイベントに顔出しては知り合い増やそうとしてませんよってね。え、誰々さんの知り合いなんですかー?ってやってないからね笑。いろんなイベントに顔は出しててもね」

「今度も、東京でストッキストっていう雑貨の展示会があるんだけど、雑貨と焼酎蔵、関係ないでしょ。B to Bで焼酎買わないよね、雑貨のバイヤーさん。でも、それはいつかB to Cになるかもしれないし、そこをきっかけに新しい広がりが生まれるかもしれない。それは大事だよね」

「で、焼酎造りってのは何をしてるのか。これを見てもらうといいかも。動画があるんです」

(Googleのですか?)←ツアー参加者の声

「違う違う。Googleのは関係なくて。見たことない人いる?じゃあさきに、そっち見るか。これね、GoogleのCM」

(おお~)

「これもさ、去年はdancyuとか色々なメディアに出させてもらうことが多くて、ついに来たか~とか思って。でも全然関係ないっていうか、CMの現場で焼酎が好きなスタッフの人がいて、僕焼酎造ってるんですよ、って言ったらシーンって。知らないのかい!ってなるでしょ笑」

「造りの紹介はこっち」

「これをまさにこの場所で。ここで米を洗って、蒸して、麹室に持っていくという流れ。そこで一次もろみを作ると。お米を洗って、こっちの機械に入れて蒸すと。150kgの米を洗うのだけで、本当に大変。以前は120kgで、そこから30kg増やしたんだけど、それでも大変。300kgにするとかはちょっと無理かな」

「米を洗うと、もろみができるまで手を止めることができない。だから、逆算して米を洗ってるわけ。イベントとかがあるときは。それで向こうで芋を洗うんだけど、1:5の割合で米が150kgに対して750kgの芋を洗う。これもつらい笑。それを全部ひとりでやると。焼酎造りって大変なのよ。“ひとり蟹工船”って呼んでるからね笑。まあそれは冗談だけど」

「洗米→蒸す→麹室ときて一次もろみが出来たら、甕に入れます。それがここでやるのね。それで芋と水を入れて2次もろみを造ると。甕1に対して、2次もろみは甕5できる。でも、甕がこれだけあるのは珍しい。手作りで、ひとつひとつ形も違う。クラフト、ハンドメイド、シンプル、ナチュラル、いろんな言葉があるけど、焼酎は全部当たり前にやってる」

「今言ったようなことは、毎年うちの蔵にくるスティーブンっていうアメリカ人がいるんだけど、そいつが教えてくれた。家族やってるていうファミリービジネスも珍しい、日本では当たり前だけどね」

「僕はワインの勉強をしていたわけじゃないし、醸造酒もそんな詳しくないから、今になって急にペアリングってよく耳にするようになっても、なかなか難しい気がしてる。ペアリングとマリアージュ、厳密には使い方も違うんだけど、やっぱり醸造酒のような、一線を越えていくような、体験したことのないゾーンに入ってくような、そういうのはね」

「で、最近思うんだけど、マッチアップみたいな感じでいいんじゃないのかなと。僕はモロッコ料理みたいなのと焼酎ってすごい合うと思うんだけど、それは、でもバスケの田臥と富樫みたいなもので、田臥と富樫ってわかる?バスケのBリーグのすごい選手たちね。焼酎と料理も一緒になって先を目指すというより、双方の勝負を楽しむみたいな」

「どっちが勝っても勝負を楽しめる。田臥、富樫、田臥、富樫、どっちだ!みたいな。モロッコ料理、焼酎、モロッコ料理、焼酎、どっちだ!ああ、モロッコ料理が勝った~でもいいもの見せてもらった、みたいな。結果的にね。そういう焼酎の楽しみ方もあっていいと思うんだよね」

「この人いろんなこと考えてるなーって思ったかもしれないけど、やっぱいろいろ考える時間がある。ここにある甕をずっと混ぜていかないといけないから。考える時間はいくらでもある。蒸留して通常は2年寝かせて、割水してうちの焼酎は完成」

「ほかの人をディスるのは簡単。他人と交わらないで自分だけでやってくこともね。最初そうしようと思ったこともあった。でも、その最初の持ってるもので行けるのってそんな長くない。最近は、全部教えるようになったよね」

「そういうことを考えるようになったのは、別の業種の先輩から学んだことが大きいのかな。情報は出す人のところに入ってくる。話をしてても、それすごいこと言ったよねってこと結構ある。お金取ったほうがいいんじゃない?って、体験があって、変わったのかも」

「例えば、僕もよか晩とか仕掛けてるけど、それはうちの焼酎じゃなくてもいいわけ。というか焼酎に落ちてこなくても、ビールでもシードルでもなんでもいい。もうちょっと大きいところで考えるとね。まあ色々話したけど、大和桜酒造はこんなところです」

といった話を1時間に詰めてしていました。この日、すごい体調悪かったんですけど、時間を忘れて聞いてしまった。ひと月くらい前なので、間違いがあったらすいません。それは全部、私の記憶違いです。

後日、ストッキストで会った時。

「面白いでしょ、ストッキスト。さっきも、ここで飲んでどこで売ってるんですか、っていう人がいて。ショップリストはもうなくなっちゃったんだよね」

「やっぱりデザインとかの感度が高い人が多いから、そういうアプローチで(デザイン集を手に取って)大和桜のロゴは、ブラックニッカのラベルも手がけた大高重治さんが書いてくれたんですよ、なんて話をすると興味を持ってもらえるよね」

「こういう場所に来る目利きの人に、そういう風なことを伝えること。こういうイベントの後に、酒屋に普段来ないような若い人がめっちゃ来るけど、なんで?なんて聞かれることもあって。そうやって、少し違ったところからも広めていけるといいよね。まあ、競技が違うってことで笑」

といったことを話していました。

大和桜もテッカンさんもすごく面白いですね。会ったら話聞いてみて。もちろん、めちゃくちゃウマいよ。

 

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