18.09 北海道①厚真町のジンギスカンとむかわ町の寿司が本物の味

先日、地震から約3週間が経った現地の様子を取材しに北海道を訪れました。

震源に近い地域、少し離れているけど停電・断水の影響を受けた地域、札幌をはじめとする観光地などを周り、いろいろな人に会ってお話を聞くことができました。

現地で見聞きした記事はできたものから少しずつ公開しているんですけど、それ以外にも人や食べ物、風景、たくさんの出会いがありました。

「無責任に被災地に行こうなどと言うな」という声もありますが、僕なりに自分の目で現地を見て、今こそ北海道を応援したいし多くの人に来てほしいと思ったので、素晴らしい北海道を伝えたいと思います。

(写真)


1日目は、朝に新千歳空港に着いて、安平町で昼まで取材。午後は厚真町を見て回り、むかわ町に移動して取材の予定でした。

安平町から厚真町に向かう途中、牧場を見つけました。ここ、実は社台スタリオンステーションという日本競馬界を代表する牧場。

ディープインパクトもオルフェーブルもこの牧場にいるんですよ。毎日、決められた時間であれば放牧展示馬の見学ができるそうです。僕が行った日はキタサンブラックが見れたんだとか。

社台ファームから10分ほど車で走ると、もう厚真町。新千歳空港からも30分くらいの距離にあるんですね。この距離感は来てみないとわからなかった。

山が地滑りしている写真を見た人も多いと思いますが、震源に近い厚真町には地震の爪痕が多く残っています。道路は地割れを起こし、標識が大きく傾いています。左奥の林に密生する高木がめちゃくちゃに倒れているのが分かります。

厚真町の中心部にやってくると比較的被害が小さいようでした。大通り周辺は30年ほど前に建て替えた店や住居が多く周りに山もないため、電気と水道が復旧してからは少しずつ落ち着いた生活が戻り始めているそうです。

昼食の時間にやってきたのはJAの近くにある厚真園。この辺りを車を走っていると、幹線道路沿いに看板があるので気になっていました。

水道が使えなかったため営業再開までに一週間ほどかかったそうですが、平日の昼間に訪れたところ、地元の人や仕事で厚真町に入ってる人などを中心に多くの客の姿がありました。

厚真園は焼肉屋ということになるんですけど、カレーやラーメンなど昼食メニューは大抵のものは揃っている町の食堂のような場所。焼肉も牛や豚だけでなく、北海道らしく羊もありましたよ。

せっかく北海道に来ているので「生ラム定食」を食べました。北海道産の羊肉かどうかはわかりませんでしたが、現地の食文化を現地で感じるのは良いですよね。定食にはご飯、味噌汁、サラダ、漬物がついて1000円はしなかったはず。

生ラムです。ジンギスカンのような味付けがされていないので、塩ダレがおすすめとのこと。

比較的すぐ火が通ります。羊って焼いても煙のにおいが強いイメージがありますが、それほどでもなく。

焼き上がったのでいただきます。羊らしい風味はありますが、野生的なキツい風味はほとんどありません。香りがすごく良い。

弾力がありますが、噛めば噛むほど淡白な赤身の奥に、牛乳のような甘みを伴う羊の旨みが感じられてすごくおいしいです。

ご飯と合わせても…かなりのご飯泥棒。塩ダレも絶妙で、ラムの味わいを引き出してくれてます。

昼の時間でもグランドメニューから注文できるそうなので、小林農園の卵を使ったユッケをいただきましたが、卵がとにかく濃厚でビックリ。

小林農園さんは少し前に毎日新聞でも記事が出ていましたが、厚真町の「地域おこし協力隊」でやってきた方が2013年から営む養鶏場です。放し飼いで育てる鶏の産む卵は絶品のひと言ですが、今回の地震で飼っていた約1500羽の大半を失ってしまったといいます。

年内の再開を目指して奔走しているそうなので、応援したいです。

もう一品、同じ厚真町にある市原精肉店が手がける「あづまジンギスカン」も単品でオーダー。

僕は母親が北海道出身で小さい頃から何度かジンギスカンを食べた経験がありましたが、動物のクセが強くてタレも独特、とあんまりいい印象を持ってませんでした。

そんなのと比べると全くの別物。甘辛いタレはあとを引くウマさで手が止まらず、何より肉も美味。下味がついていてもわかる、繊細な肉質と甘み。脂のコクも最高です。

ランチにしては食べすぎてしまいましたが、これだけ食べて合計2400円。東京だったら2倍かかってもこのクオリティには届かなそう。

厚真園、すごい。厚真町に行ったらぜひ寄ってみてください。

厚真園
北海道勇払郡厚真町錦町7-3

0145-27-2929
11:00~22:30
不定休

近くのJAに寄ると北海道限定のいろはすハスカップ味が売ってました。飲んでみると…うん、ハスカップ。

偶然ではないですが、実は今いる厚真町はハスカップの収穫量が日本一の町なんだそうです。

ところどころ山が崩れたり、道路沿いの神社が被害を受けていたりする中を走って、20分ほどでむかわ町に到着。中心部の大通りは、住居兼店舗の建物が多く崩れていました。

役場の近くにむかわ町の特産物直売所「ぽぽんた市場」があったので寄ってみます。

むかわ町は「ししゃもの町」として知られているんですけど、それ以外にも魚や野菜を多く扱っていました。

鮮魚がすごい。生鮭、そい、かがみだい、と地元で揚がる魚が低価格で売られています。

野菜もたくさん。テレビで取り上げられて話題になったという果物のように甘いミニトマトもありました。地震から3週間、農家さんたちも毎日の仕事に戻っているそうです。

お土産にいろいろ買ってしまいました。どれも甘みが強くておいしかったんですが、全部で500円しないというお得さ。

むかわ特産物直売所 ぽぽんた市場
北海道勇払郡むかわ町松風3丁目1

0145-42-2133

地震後1週間で営業を再開した、カネダイ大野商店で取材後、店内で冷凍ししゃもをいただきました。

販売のほか、イートインもできるお店で、10月のししゃもシーズンになると店の外に行列ができるほどの人気店なんだとか。

店内の各テーブルの上にはホットプレートがあって、冷凍ケースで食べたいものを見つけて購入したらセルフで焼いて食べるという流れ。

オス、メス、サイズをお好みで。

メスは卵をたっぷりと抱えていて甘みがあり、オスは脂がのっているという違いがあります。ちなみに東京の居酒屋で食べるししゃもは、正確には代用ししゃも(カペリン)という種類の魚で、むかわ町で穫れるものとは別物。

オスの中くらいサイズで約1000円(だったかな)。店員さんに焼き方を教えてもらいました。

何度もひっくり返すと身が崩れてしまうので、一度だけ。じわっと皮から脂が染み出して、それが乾いたらひっくり返すタイミングだそうです。

10月に入ると、ししゃも漁が解禁されすごく忙しくなるそう。店員さんも「10月中旬のししゃもはおいしいですよ〜」と話していました。

カネダイ大野商店
北海道勇払郡むかわ町美幸2丁目42番地

10:00~17:00
1~4月は日曜休み

むかわ町は、町の中心から2kmほど行くと南側は海に面しています。

海のある町の寿司が美味しくないわけがあるだろうか、ということで駅より少し先にある大豊寿司にやってきました。

今年で39年になる大豊寿司。ししゃもシーズンで食べられるむかわ町の名物・ししゃも寿司を考案した店でもあるんだとか。

訪問したのは、夕方前のお客さんはまだいない時間帯でした。お寿司は上が1250円、特中が1800円、特上が2200円でした。迷わず特上を選びましたが、結論から言うと3〜4倍の値段でも納得できる内容でした。

食べるペースに合わせて、一、二貫ずつ若い板前さんが握ってくれます。中トロとホッキ貝。頰が落ちそう。

北寄貝は生=黒、ボイル=ピンクというイメージがありましたが、紫寄りのグレーみたいな色。弾力がしっかりあって、奥深い滋味と甘みが強かったです。

エビ、ホタテ、サーモンという北海道スペシャル。脂のノリがすごいです。甘さがあって、それぞれ旨みがとても強い。

大豊寿司では、なるべく地場のおいしいものを扱うようにしているんだとか。マグロのような魚は札幌の方が仕入れやすいそうですが、その他はなるべく近くの港から厳選して使っているとのこと。

サメガレイのエンガワとカニ。このカレイは北海道以外ではあまり見かけないそうです。あっさり食べてますが、人生ベスト1のエンガワでした。コリッとして、脂みとコクが薄い身にギュッと詰まっています。

日高のイクラと利尻のウニ。口が幸せすぎました。ウニってこんな果実のような香りがするのかと驚き。

追加で一貫、産地直送の真つぶ。今まで食べたどのつぶ貝とも違う…。これ200円は値付けが良心的すぎますね。

大豊寿司、ちょっとすごすぎやしませんか。北海道行ったら、また必ず寄りたい一軒ができてしまいました。

ししゃもの漁期は、元祖のししゃも寿司をぜひ召し上がれ。

大豊寿司
北海道勇払郡むかわ町文京町1-8
0145-42-5222

10:00~22:00(10、11月は21:00)
月曜休み

この後、札幌に戻ります。夜は少し時間があるので、何かを食べに行こうと思います。

でもまずは店探しから。ではまた。